+ 『海の底』
有川浩の自衛隊シリーズだ!と思って、店頭で即買い。『空の中』がほのぼのだったから、それを想像して読み始めたら最初でかなりダメージくらった。だって巨大ザリガニが人間たべるって!えええ、グロイよ、なんなんだよ。おかげでその後3時間くらいグロッキーだったよ。
そこさえ突破すればあとは愉しい。前読んだ短篇に出てきた(たしか『クジラの彼』だっけな?なにかのアンソロジーに載っていた)自衛隊員ふたりのコンヴィが好い感じ。あと、やっぱり好いなって思うのは一方的な悪を書かないところ。悪者つくるのって簡単だから、そこからどうやって展開して両方に感情移入させるかって作者の腕の見せ所だと思う。そう云う技術がとても巧い作家だなあとやっぱり。最後、巨大ザリガニにすら切なくさせられたもん。ザリガニにはザリガニなりの何かがあるんだ、って。
+ 『ともだち』
樋口作品にしては珍しく、女の子が主人公かつ仄かに百合っぽい。武道の達人とか、女好きなおじいさんとか、うざい後輩とかキャラクタがそれぞれ好い、とは思うけどやっぱりこのひとは不良系の男のひとや、中途半端な青年が主人公の小説の方が面白いなあ。
+ 『知られざるインテリジェンスの世界』
インテリジェンス、から連想しててっきりシンクタンクとかコンサル系の本かと思ったらスパイの本だった。びっくり。そう云うのが好きなひとは愉しいのだろうけど、あんまり興味のない分野で、その上ちょっと内容が薄いというか分析不足な気がした。スパイとか諜報活動の中やっぱりサイモン・シンの『暗号解読』が秀逸で、(暗号についてだけ特化している本だけど)ついそれと比較しちゃうのやも。
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評価:
有川 浩
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評価:
樋口 有介
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評価:
吉田 一彦
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